ロンドンっ子の間では、お寿司などの「日本食のテイクアウェイ」がランチメニューのひとつとしてすっかり定着しました。異国のちょっと変わった日本の味を試してみるのもおもしろいですよ。
日本風のお寿司を楽しむ地元の家族
(itsuにて)
こんにちは、ロンドンナビです。今日は、ロンドンっ子のランチのチョイスとしてすっかり定着した「日本食のファストフード」について紹介しましょう。十数年前までの英国での日本料理レストランの存在はといえば、故郷の味を懐かしむ留学生が数カ月に1度食べるとか、駐在員が接待に使うといった具合に、決して一般的なものではありませんでした。ところが、人々のヘルシー志向が高まる中、日本食、とくにお寿司への注目度が急速に高まり、それにつれて回転寿司店や日本食のお弁当を扱うチェーンがロンドン市内に増殖することとなりました。いまでは、大手スーパーの格安ランチセットの組み合わせで、サンドイッチまたはお寿司のどちらかが「メイン」として選べるようになっています。
■代表的な日本食テイクアウェイ2チェーン
ロンドンにある日本食テイクアウェイのチェーン店としては、「わさび」と「ITSU」の2つが代表的といえます。それぞれお寿司が主力メニューなのですが、微妙に品ぞろえが違います。
おにぎりがそそる「わさび」
デリコーナーもある
「わさび」は、全体的な雰囲気として日本のコンビニで売られているような、お寿司やお弁当を主力メニューとしてそろえています。しかも、お寿司は日本のスーパーで買うときのように、一つづつ個装されているものを、お店にある「折」に詰めるシステムになっています。見逃せないのは、コンビニ風のおにぎり。例の「海苔を自分で巻く」タイプの包装で売られており、「海苔とご飯を別々に食べる」人の姿も見かけます(そういう人を見たら、ぜひ食べ方を教えてあげましょう)。さらにユニークなのは、温かいおかず+チャーハンといったデリメニューもあること。これはどちらかといえば、日本食というより中華スナックに近いノリ。焼そばが売られていることもありますよ。
雰囲気は日本のコンビニみたい?
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お寿司だけでなくおにぎりも
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お寿司は折り詰めに詰めて買います
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日本風?のお弁当もあります
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エスニックぽいメニューの「ITSU」
ビジネス街を中心に店舗展開している
ビジネス街を中心に店舗展開を進める「ITSU」。こちらも主力メニューはお寿司なのですが、良く見てみると、日本のものとは何となく違った雰囲気。サーモン寿司+タイ風エスニックサラダの組み合わせとか、ローストされた鴨肉の巻き寿司とか...英国人が想像している「アジアの味」にアレンジしてしまった感じのメニューが目白押しです。「フュージョン系の創作日本料理」と思って食べると意外とイケますが、「これがどうして日本食?」と思って食べると、おいしいものもまずく感じますよ。
ローストされた鴨の巻き寿司
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創作されたお寿司が並ぶ
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外にテーブルを用意している店舗も
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おしゃれなカフェという感じの店内
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割と期待通りの「YO! Sushi」
セントパンクラス駅の店舗
セントパンクラスやパディントンなど国鉄のメイン駅で見かける回転寿司チェーンの「YO! Sushi」。お寿司のテイクアウェイもできますが、チェックを入れておきたいのは店内の様子でしょう。まず、入口には「お皿の色ごとの値段の違い」が掲げられた看板がお出迎え。ここでだいたいの価格をチェックしておきましょう。為替レートにもよりますが、日本で食べるより3~5割高めといったところでしょうか?テイクアウェイは、店頭の冷蔵ケースに出ている折詰めを買ってもいいですが、自分で欲しいネタのものを選ぶこともできます。お寿司と一緒になぜか日本の吟醸酒も並んでいるので、どうしても「お寿司には日本酒が欠かせない」とか、「そろそろ英国のビールも飽きた」人にはお勧めかも知れません。
スーパーで買うお寿司&日本食デリ
テスコで販売されるお寿司のパック
スーパーには、テスコのようにネタがピーマンなどの野菜を使った海苔巻といったような、「お寿司のようなもの」を扱っているのも見かけますが、ウェイトローズのようににぎりの盛り合わせ的な本格的なものまで、お店によって扱っているものもさまざまです。なお、ロンドンの在住日本人が良く利用している日本食デリは、ピカデリーにある「ジャパンセンター」でしょう。ここでは本格的なお弁当やお惣菜的なものが見つかります。ただ、平日のランチタイムに訪れると、日本人よりむしろ英国人客のほうが多いので驚いてしまいます。「ロンドンに行ってまでお寿司なんて...」と思うかもしれませんが、異国に伝わった日本の食文化がどんな感じに変わるのか、とか、不器用にお箸を使って食べるロンドンっ子の様子を見たりと、意外な楽しみもありますよ。以上、ロンドンナビでした。
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2011-01-25