「くまのプーさん」でおなじみ、AAミルトン、「万有引力の法則」のニュートンなど数多くの著名人を世におくりだしてるカレッジをご紹介!
こんにちは!ロンドンナビです。アイザックニュートン、フランシスベーコン.....この人たち、「世界の偉人」として歴史の本によく登場する人物ですよね。歴史の本に描かれている人たちって、どんなところで勉強していたのかな~?なんて、疑問を持ったことはありませんか?「ケンブリッジを歩く」シリーズ第二弾の今回は、そんな偉人たちが学問に没頭したカレッジをご紹介!現代から中世にタイムスリップしたようなカレッジ内を巡っていると、ノーベル賞ものの斬新なアイディが浮かぶかも!?天才たちがすごした学び舎を、Let’s散策!
トリニティカレッジ(Trinity College)世界の頭脳がここから!
ケンブリッジ大学一の巨大な土地と富をもつといわれているトリニティカレッジは、前回ご紹介したキングスカレッジの並びに位置しています。 歴史は古く、1545年にヘンリー8世がもともとあったマイケルハウスとキングスホールを併合したことに始まります。以来、30人以上のノーベル賞受賞者を輩出、目覚しい躍進を続けているのです。 女子学生の受け入れは、比較的最近になってからの1975年。それまで入学が許可されていたのは、男子学生のみでした。
観光客がトリニティカレッジを見学する際に利用するのは、キングスパレードから続くトリニティストリートに面しているグレイトゲートから。グレイトゲートの前、つまりトリニティストリートをはさんだ向こう側は、トリニティ所属学生の寮となっています。
グレートゲイト(Great Gate)
さて、カレッジの中へ入る前に、おもしろいもの....、いえ、すばらしいものをお見せしましょう!
世界中から観光客が訪れる
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まさかいたずらされるとは....
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グレートゲイトには、ひとつの門に、大きい扉と小さい扉があります。このような門構えになっているのは、トリニティカレッジだけ。門を見上げると....創立者ヘンリー8世。んんん~??よ~くみてください。ヘンリー8世の手には、いすの足がしっかりと握られていますね!これは、学生のいたずらだとか。ヘンリー8世は、奥さんを次々と変え、離婚のために宗教をかえたり、教会を壊した人物。嫌われても、仕方がない!?
「万有引力の法則」の起源はここにあり!?アイザック・ニュートン(Isacc
Newton)
トリニティとは、深~い関係なんです
この方、どなたかわかりますか?そう、かの有名なニュートンです。科学界へ革命をおこしたニュートン、実はトリニティカレッジの出身なのです。(この彫刻は、チャペルの中でみることができます。)ニュートンが木からりんごが落ちるのをみて、「万有引力の法則」のヒントをえたという話は、みなさんも耳にしたことがあるのではないでしょうか。そのニュートンの木、カレッジに入る前に、トリニティストリートから見ることができます。
ニュートンの木の子孫
残念ながら、元祖ニュートンのりんごの木ではありませんが、その子孫であることは確か。元祖のりんごの木が枯れてしまう前に接木をしたそうです。接木のおかげで、いまや世界中で子孫の木をみることができます(もちろん日本でも!)が 、ニュートンが学んだカレッジみるりんごの木は、ひとあじ違いますね。そのすぐ後ろにみえる窓がある部屋は、ニュートンが使っていた勉学にいそしんでいた部屋だそうです。入場料を払う前にこんなすごいものをみせてくれるなんて…. さすがケンブリッジ大学一のお金持ち、太っ腹です!
グレイトコート(Great Court)
美しい噴水、時計台、チャペル
門をぬけると、グレートコートがひろがります。中央には噴水、時計台、チャペル.....どこから写真を撮ろうかまよってしまいます。設立当初、噴水は学生の沐浴の場所だったそう。そのため、カレッジ内の施設は、噴水に続くように作られたとか。噴水の後ろにあるのは、時計台。この時計は、高い音と低い音で、二回鐘を鳴らします。その音は、トリニティの男性、女性をイメージしたものだとか。
全力疾走したくなる!?グレートコート
アカデミー賞受賞映画「炎のランナー(Chariots of Fire)」は、ケンブリッジ大学を舞台とした映画。12時の鐘がなり終わるまでにトリニティの中庭を一周するというシーンは、トリニティカレッジのグレイトコートを走る、という設定なんです。(実際のシーンはは中庭が似ているイートン校で撮られたそうですが。)映画の中では、ハロルド・エイブラハムがこの記録を達成していますが、この偉業は、1927年に、陸上選手のデヴィッドバーリー(David Burghley:映画の中では、アンドリューリンゼイ卿)だけが成し遂げているそうです。
チャペル (The Chapel)
カレッジ関係者の魂が眠るチャペル
カレッジには必ずチャペルがあります。トリニティも例外ではありません。チャペルへはいると、トリニティで学んだ偉人たちの彫刻がおでむかえしてくれます。哲学者のフランシス・ベーコン、詩人のアルフレッドテニスン、そしてニュートン.....う~ん贅沢!
彫刻が並ぶ壁には、戦争でなくなった大学関係者の方々の名前が。東側の壁には、第一次世界大戦 、西側の壁には、第二次世界大戦で亡くなった方です。手をあわせてしばし黙祷。
さて、冒頭で、トリニティカレッジは、ケンブリッジ一大きいんですよ~とお伝えしました。キングスカレッジとくらべて、「え、小さいじゃない!」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。実は、トリニティの施設&中庭はここだけではないんです。美しい自然に囲まれたトリニティご自慢の敷地をご案内しましょう!カレッジ内からはいけませんので、一度カレッジをでることにします。
トリニティストリート(Trinity street)
グレイトゲートをでると、その通りはトリニティストリート。大学の名前がついているこの通りには、かわいい小物のお店や、お洋服のおみせがいっぱいなんです!
トリニティストリートにある小さなお店をひとつひとつのぞいていると、あっという間に時間がすぎてしまいます!冬は3時をすぎるともう暗くなってしまいますから、急ぎましょう!トリニティカレッジをでて、まっすぐキングスカレッジ方面へすすむと、一本目の右へ曲がる小道があります。そこを道なりにすすみ、カーブをまがった1本目の小道を右へ。石橋の手前の黒い門がトリニティの入口です。こちらの敷地は、無料で入れます。
トリニティ最高傑作 レン図書館(Wren Library)
秘蔵コレクションをみよう!
図書館の設計はロンドンのウエストミンスター寺院などの数々の傑作を手がけ、イギリス紙幣にもなったクリスファーレン( Christopher Wren)の設計。トリニティ内の建物で最高傑作といわれているんです。この図書館では、過去180年間の間に収集された手書き原稿や書籍のコレクションをみることができます。
携帯電話電源OFF、写真撮影禁止、館内は静かに!
入口に係りの人がいて、携帯電話の電源OFF、館内は静かに、写真撮影は禁止、などの注意を受けます。中へ入ったときも、2~3人の係員が観光客の様子をチェックしています。縦長の館内は、高い天井と正面のステンドラスが、美術館のよう。そして、ふるめかしい本棚には、蔵書がずらり。現在でもこの図書館は利用されていて、ナビが見学していたときも、年季の入った本を片手に、難しい顔をしている関係者らしき方がいらっしゃいました。
貴重な展示物の数々
ショーケースには、ニュートンの髪の毛、手紙、シェークスピアの本、「くまのプーさん」の作者アランアレクサンダーミルン( Alan Alexander Milne) の原本などが展示されています。ミルンも、トリニティで学んだんですね。百年以上たったいまでも、大切に保存され、読みつがれている蔵書、コレクションの数々。私たちが観ることが出るのはほんの一握り。あとは、他の図書館に保管されているそう。
図書館をでると、ケム川がゆったりと流れているのがみえます。ベンチに座って一休みもよし、ケム川にかかる石橋をわたって散歩するのもいいですね。石橋をわたると、並木道が広がります。この並木道の横に広がる庭では、夏にシェークスピアの公演がおこなわれます。
世に名を残した偉人たちは、自分の理想を追い求めるのに疲れたとき、石橋からケム川をながめ、並木道を歩いたに違いありません。
いかがでしたか?偉人たちの学び舎トリニティカレッジ。 天才たちの軌跡を少しばかり追うことができたのではないでしょうか?ゴージャスなキングスカレッジとはちがい、落ち着いた雰囲気のトリニティカレッジは、偉業をなしとげるべき環境にふさわしいカレッジということがおわかりいただけたと思います。キングスをみたあとは、まっすぐトリニティカレッジへ足をはこんでくださいね!以上、ロンドンナビでした!
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2010-12-03