ロイヤル・オペラ・ハウスで「バレエ」を観てきました!

コヴェント・ガーデンにあるロイヤル・オペラ・ハウス(ROH)でバレエ「ジゼル」を見てきました!

正面ファザートが歴史を感じさせるロイヤル・オペラ・ハウス

正面ファザートが歴史を感じさせるロイヤル・オペラ・ハウス

こんにちは、ロンドンナビです。今回はコヴェント・ガーデンにあるロイヤル・オペラ・ハウス(ROH)へバレエ鑑賞にでかけましょう。日本でふつうに暮らしている分には、オペラやバレエを観に出かけることなんてまれだし、チケットもべらぼーにお高い! 「どんな格好で出かけたらいいの?」なんててことまで考えてしまいます。さてさて、どんなバレエ鑑賞になるでしょうか?!
玄関部分は1856年当時のままをとどめています

玄関部分は1856年当時のままをとどめています

オペラ・ハウスの前には、バレリーナの像も

オペラ・ハウスの前には、バレリーナの像も

大改修で、近代的な施設に変身!

付近には、バレエ用品を専門に扱うお店もありますよ

付近には、バレエ用品を専門に扱うお店もありますよ

コヴェント・ガーデンの北側に立つROHは、1996年から2000年に渡り大改修が行われ、欧州で最新の設備を誇る歌劇場に生まれ変わりました。それまでは空調設備すらなかったそう。 このROH、世界五大歌劇場の1つとして、世界に広く知られています。ロイヤルオペラ(歌劇団)とロイヤルバレエが本拠地としていて、シーズン中にはオペラとバレエが交互に上演されています。演劇ファンの間では、オペラ、バレエともに世界最高のレベルを誇る名門として高く評価されています。ロイヤルバレエでは、ダンサーとしての最高位「プリンシバル」として熊川哲也さんや吉田都さんが活躍した舞台です。 そう考えると、日本人にもなんとなく親しみがわいてきますが、いざここでバレエを観る!ということになると「ちょっと敷居が高いかなぁ…」と感じたナビ。

まずはチケットの予約から…

チケットは赤いフォルダーに入って送られてきました

チケットは赤いフォルダーに入って送られてきました

でも「とりあえず一度は足を運んで場内の雰囲気を味わってみたい」という旅行者もけっこういるようで、値段さえ気にしなければ、当日でもチケットは買えることもあるようです。ただ、「ロンドン滞在中にROHに行って観劇を!」という人は、あらかじめウェブなどを通じてチケットを予約しておくことをお勧めします。チケットの売れ行きは、まったく同じ演目でも、「あっさり完売」の日もあれば、「まだまだ空席が多数」という日もあり、とてもバラツキがあります。これは日によって出演するプリンシパルが違うから、という事情によります。たとえば「○○さんの『ジゼル』は必見!」という情報がファンの間に流れようものなら、チケット売り出しとともにすぐさま満席になることもあり。ナビはウェブ予約のあと、チケットを郵送してもらったのですが、ROHのロゴのついた封筒や真っ赤なチケットホルダーに感動してしまいました。なお、日本からの旅行で訪れる場合は、郵送してもらうよりも、当日チケット窓口(ボックスオフィスといいます)で受け取るようにしておいたほうがよいでしょう。

着飾った人びとが多数やってきます

夜の正面ファザードは、日中とはまた違った雰囲気です

夜の正面ファザードは、日中とはまた違った雰囲気です

ROHへは、もちろん地下鉄駅から歩ける距離にありますが、正面にタクシーで乗り付けるような人びとの姿は、男性はタキシード、女性はドレスと「さすが格式の高いオペラハウスならでは」の装いです。むかしから、ROHでオペラを観るのは上流階級の楽しみと言われていることを改めてうなずけますね。「オペラハウスにどんな格好をしていったらいいのかよくわからない」という話を良く聞きます。たしかに、見事に着飾った人びとも多いのですが、ナビは「極端にラフな格好」でなければ良い、と思います。Tシャツ&短パンではあまりに「失礼」でしょうけれど、ジャケット着用じゃないと入れてくれない、ということもありません。また、4階席や最上段のベンチシートで観ている人の中には、学生やコアなファンも大勢いて、割と「普通の格好」で訪れています。
この日の演目が張り出されていました

この日の演目が張り出されていました

入口を入ってすぐのところに、豪華な衣装が展示されています

入口を入ってすぐのところに、豪華な衣装が展示されています

できたら早めに館内へ…

館内の廊下はまるでお屋敷の一部のよう

館内の廊下はまるでお屋敷の一部のよう

開演は7時半からですが、2時間近く前から場内に入ることができます。ビギナーのナビはレストランやバーの充実度にびっくり。巨大なバーになっている「フローラル・ホール」では、着飾った人びとがシャンペンを楽しんでいます。ここは、かつてコヴェント・ガーデン・マーケットだった場所で、いまでも屋根の部分に当時の面影が残っています。また、開演前のディナーが楽しめるレストランも館内のあちこちに設けられています。ナビは残念ながら時間がなくて、開演前に何かを食べたり飲んだりできませんでした。くやしいー。
人でごったがえす開演前の「フローラル・ホール」

人でごったがえす開演前の「フローラル・ホール」

「フローラル・ホール」を上から眺めると…

「フローラル・ホール」を上から眺めると…

いよいよ観客席へ

屋上に行くと、衣装部屋も覗けました

屋上に行くと、衣装部屋も覗けました

劇場は馬蹄形の4層になっています。欧州の有名歌劇場といわれる、パリのオペラ座やミラノのスカラ座に比べると華やかさや豪華さには欠けるかもしれませんが、建物は1856年完成と、すでに150年以上の歴史を持ち、エントランス部分(ギリシャ建築のようなファザードと玄関)と観客席部分は、その当時のオリジナルをそのまま引き継いでいまも使用されています。開演10分前には、早く席に着くよう、アナウンスがあります。そして観客を追い立てるようにホワイエの中を係の人が鐘を鳴らしながら回ります。席について舞台を見てみると、正面の緞帳にあしらわれたエリザベス女王のエンブレムが目を引きます。

周りの人びとの格好は意外とラフ?

館内にはこんな豪華なディナー用ホールもありますよ

館内にはこんな豪華なディナー用ホールもありますよ

ナビの席の右隣りはとても若いカップル。なんとなく「初めてのバレエ鑑賞」といった雰囲気です。服装も全くの普段着。3人で時々おしゃべりをしながらとてもリラックスして舞台を楽しんでいます。 左隣りは40代くらいの男の人がひとり。ジーンズにセーターとこれまたごくごく当たり前の英国人の服装。でも、この人はどうも「オペラ座の常連」っていう感じがします。 チケットがこれくらいの値段なら、バレエを観るってことが映画館へ出かけるくらいの感覚なのかもしれませんね。

今回観たのは「ジゼル」

今回観た「ジゼル」は、バレエビギナーのナビでさえ題名を知っているとても有名なロマンチックバレエのひとつ。一幕目はにぎやかで楽しい農村の場面。農民たちの衣装も色とりどりで、かわいい村娘のジゼルが愛らしく踊ります。アルブレヒトともうすぐ結婚できる喜びがストレートに伝わってきます。が、最後の場面でアルブレヒトが貴族でしかも婚約者がいることを知ってジゼルは「狂乱」し、そして死んでしまうのです。ジゼルとアルブレヒトが舞台に登場すると大きな拍手がおきました。「待ってました!!」ってかんじ。みなさんよくご存知なんですね…。

幕間のバーは観客で大混乱!

休憩時間中に飲みきれないのでは、と思うほどの列ができています

休憩時間中に飲みきれないのでは、と思うほどの列ができています

1幕目が終わったあとの幕間は人びとが一斉にバーに殺到します。ふつうは、バーカウンターに並んで順番に飲み物を買うんですが、その時間ももったいないからなのか、サンドウィッチなどのスナックとともに飲み物を事前予約するシステムもあるようです(もちろん、バーに並んで買うこともできますが)。ナビは夕食を済ませていたので、あまりお腹もすいていなかったのですが、ついつい飛びついたのはROHのロゴ入りのアイスクリーム。市販のものよりちょっと高めなのですが、意外とおいしかったです。
幕間に食べたROHロゴ入りアイスクリーム

幕間に食べたROHロゴ入りアイスクリーム

バーのスタッフは大忙し!

バーのスタッフは大忙し!

静かな2幕目は寝てしまう人も?

屋上からはコヴェント・ガーデン一帯が望めます

屋上からはコヴェント・ガーデン一帯が望めます

2幕目はジゼルのお墓がある森の中のシーン。青白い照明の中、ウィリ(精霊)たちの衣装も白一色。長いドレスのロマンチックチュチュです。死んでウィリになったジゼルも静かに静かに踊ります。この1幕目と2幕目の違いを出すのがジゼルを踊るバレリーナにとってとても大変なことだと言われます。ナビが一番期待していた2幕目の群舞、コール・ド・バレエのシーン。ここは精霊たちが夜、お墓の周りを踊るのですが、どうも「幽霊のはずなのに、まだ2本の足が見えちゃっている」感じで、ちょっと期待はずれでした。そして、あまりに静かで二幕目に寝てしまう人も多いそう(さすがにナビは寝ませんでしたが…)。

カーテンコールでは大拍手!

帰路につく人びとは皆満足そうです

帰路につく人びとは皆満足そうです

今日の演目も無事終演。プリンシパルをはじめとするバレリーナたちが何度もカーテンコールを受けます。途中から、ロイヤル・オペラ・オーケストラの指揮者も舞台に登場。狭い「オケピ」の中から名演奏を聴かせてくれたオーケストラ団員たちへのねぎらいの拍手もなりやみません。


観客席から外へと向かう人びとはみな満足そう。ついでに、館内もひとめぐりして写真を撮りあう観光客もたくさん見かけました。バレエ終演後の足を心配する人もいますが、この街で夜10時過ぎはまだ宵の口。よほど繁華街から遠く離れた場所へ戻るならともかく、地下鉄もバスも日中とほぼ同じ運転間隔で動いていますし、あちこちの劇場がはねるこの時間には空車のタクシーがたくさん、ソーホーやストランド(通り)で客待ちをしています。
舞台のあまりの美しさに、なんと次回の演目「白鳥の湖」のチケットも早々に入手したナビ。格安価格で気軽に行ける身近さが魅力の1つかもしれません。以上、ロンドンナビでした。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2011-02-08

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